浅草の冬を代表する風物詩のひとつが、浅草寺で開かれる羽子板市です。
浅草寺境内に色鮮やかな羽子板がずらりと並び、年の瀬らしいにぎわいに包まれる光景は、浅草ならでは。
歌舞伎役者をかたどった伝統的な押絵羽子板から、世相を映した変わり羽子板、子どもの健やかな成長を願う縁起物まで、さまざまな羽子板を見ることができます。
現在では「羽子板市」として広く知られていますが、もともとは正月用品や縁起物を販売する**「歳の市」**として発展した行事です。
浅草寺の歳の市は江戸随一の規模を誇り、その中で羽子板の人気が高まり、次第に現在の羽子板市へと変化していきました。
この記事では、「羽子板市 浅草」のキーワードで情報を探している方に向けて、2026年の開催日程や歴史、羽子板に込められた意味、見どころなどを詳しく紹介します。
2026年の浅草・羽子板市は12月17日から19日まで
浅草寺の羽子板市は、毎年12月17日・18日・19日の3日間開催されます。
浅草寺が2026年5月に発行した案内でも、2026年の歳の市・羽子板市は12月17日・18日・19日と案内されています。
その中心となるのが12月18日です。
浅草寺では毎月18日が観世音菩薩のご縁日とされており、中でも一年最後となる12月18日は**「納めの観音」**と呼ばれています。
その前後を含む3日間に羽子板市が開かれ、浅草寺境内は多くの参拝者や観光客でにぎわいます。
2026年の開催日は、
2026年12月17日(木)
2026年12月18日(金)
2026年12月19日(土)
です。
特に18日と19日は混雑が予想されるため、ゆっくり羽子板を見たい方は時間に余裕を持って訪れるとよいでしょう。
浅草の羽子板市はもともと「歳の市」だった
現在では羽子板市という名称が定着していますが、もともとは羽子板だけを売る市ではありませんでした。
江戸時代、12月17日と18日に開かれていた浅草寺の観音縁日には、多くの参拝者が訪れました。
その人出を見込んで境内に商人が集まり、
- 正月飾り
- 縁起物
- 神棚
- 重箱
- お屠蘇用品
- 日用品
など、新年を迎えるための商品を販売するようになります。
これが歳の市です。
江戸各地の寺社でも歳の市は開かれていましたが、浅草寺の歳の市は特に規模が大きく、浅草橋から上野付近まで店が並んだとも伝えられています。
江戸の人々にとって浅草寺の歳の市は、現代でいう「年末の大規模ショッピングイベント」のような存在だったのでしょう。
江戸末期から羽子板が歳の市の主役に
浅草寺の歳の市で羽子板が目立つようになったのは、江戸時代末期頃とされています。
もともと歳の市ではさまざまな正月用品が販売されていましたが、華やかな押絵羽子板が人気を集めるようになりました。
特に歌舞伎文化が盛んになると、人気役者の舞台姿を表現した羽子板が登場します。
その年に活躍した歌舞伎役者を題材にした羽子板は、江戸っ子たちにとって大きな楽しみでした。
浅草観光連盟の資料では、羽子板市は「人より始まって人に終わる」といわれるほどにぎわい、羽子板職人にとって一年間の仕事の成果を披露する場でもあったと紹介されています。
やがて正月用品がほかの場所でも簡単に購入できるようになる中、羽子板が歳の市を代表する商品として残り、現在の「羽子板市」という呼び名が定着していきました。
羽子板は女の子の健やかな成長を願う縁起物
羽子板というと正月の羽根つき遊びを思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、羽子板には古くから魔除けや子どもの健康を願う意味が込められています。
羽根が「悪い虫」を食べる
羽根つきに使う羽根は、飛んでいる姿がトンボに似ているとされました。
トンボは蚊などの虫を食べることから、羽根つきには、
「悪い虫=病気を追い払う」
という縁起が生まれたとされています。
「まめに暮らす」という願い
羽根の先端には、ムクロジという植物の種が使われます。
その黒い実を「豆」に見立て、
「一年をまめに暮らせるように」
という願いも込められました。
また「無患子」と書くムクロジの字から、子どもが病気を患わないよう願う意味も伝えられています。
こうした背景から、江戸末期頃には女の子が生まれた家庭へ羽子板を贈る風習が広まっていきました。
初正月に羽子板を贈る風習
女の子が生まれて初めて迎える正月を初正月と呼びます。
初正月には、祖父母や親族から羽子板を贈り、女の子が健康に育つことを願う風習があります。
浅草観光連盟の資料では、初正月に贈られた羽子板が、その後お嫁入りの際にも大切に持たれていったという文化も紹介されています。
そのため羽子板市では、単なる飾り物を探す観光客だけでなく、生まれたばかりの女の子のために羽子板を選ぶ家族の姿も見られます。
親から子へ。
そして子から孫へ。
羽子板には、家族の願いや思いを次の世代へ伝える意味も込められているのです。
浅草の羽子板市で見たい「押絵羽子板」
羽子板市の大きな見どころが、華やかな押絵羽子板です。
押絵とは、綿を布で包みながら立体的な人物や衣装を表現する伝統技法。
平面に絵を描くだけではなく、顔や着物などが立体的に作られているため、近くで見ると細かな職人技がよく分かります。
伝統的な題材には、
- 歌舞伎役者
- 美人画
- 藤娘
- 道成寺
- 助六
などがあります。
豪華な着物の柄や表情、髪型まで細かく作り込まれた羽子板は、美術工芸品として見ても楽しめます。
世相を映す「変わり羽子板」にも注目
羽子板市では、伝統的な歌舞伎羽子板だけでなく、その年に話題になった人物や出来事を題材にした変わり羽子板も注目を集めます。
スポーツ選手、芸能人、その年を象徴する人物などが羽子板になり、年末のニュースでも紹介されることがあります。
「今年はどんな人が羽子板になるのだろう?」
と予想しながら訪れるのも羽子板市ならではの楽しみ方です。
伝統工芸でありながら、その時代の空気を取り入れて変化してきたことも、羽子板文化が長く続いている理由のひとつでしょう。
羽子板市では職人とのやり取りも楽しみ
羽子板市では、羽子板をただ眺めるだけでなく、実際に購入することもできます。
露店にはさまざまな大きさやデザインの羽子板が並び、職人や店の人と話しながら選ぶことができます。
昔ながらの市では、購入が決まると威勢のよい手締めが行われることもあります。
年末の浅草らしい活気を感じられる瞬間です。
大型の豪華な羽子板だけでなく、比較的小さな飾りやお土産として選びやすいものもあります。
家に飾る場所や予算に合わせて選んでみるのもよいでしょう。
色鮮やかな羽子板が並ぶ境内は写真撮影にもおすすめ
羽子板市の期間中、浅草寺境内には色とりどりの羽子板が並びます。
赤、金、紫など鮮やかな色を使った押絵羽子板と、浅草寺の朱色の建物との組み合わせは非常に華やかです。
写真を撮るなら、
- 羽子板が並ぶ露店
- 羽子板と浅草寺本堂
- 羽子板と五重塔
- 店先で羽子板を選ぶ人々
- 夜の灯りに照らされた羽子板
などがおすすめです。
夕方以降は昼間とは異なる雰囲気になり、露店の灯りに照らされた羽子板を楽しめます。
羽子板市と一緒に「納めの観音」に参拝
羽子板市を訪れるなら、ぜひ浅草寺への参拝も合わせて行いましょう。
毎月18日は観世音菩薩のご縁日。
そして12月18日は、その年最後となることから納めの観音ご縁日と呼ばれています。
一年を無事に過ごせたことへの感謝を伝え、新しい年の健康や幸福を願うのもおすすめです。
羽子板市は単なる年末マーケットではなく、浅草寺のご縁日と一体になった伝統行事なのです。
羽子板市は浅草の年末散策にもぴったり
12月の浅草は、羽子板市だけでなく年末ならではの雰囲気を楽しめます。
仲見世には正月飾りや縁起物が並び、街全体が新しい年を迎える準備に入ります。
羽子板市を見たあとは、
- 仲見世通り
- 浅草寺
- 雷門
- 伝法院通り
- 浅草六区
- ホッピー通り
などを歩いてみるのもおすすめです。
温かい蕎麦やおでん、甘酒などを楽しみながら、冬の浅草をゆっくり巡ってみてください。
浅草の羽子板市に関するFAQ

- Q2026年の浅草羽子板市はいつ開催されますか?
- A
2026年は12月17日・18日・19日の3日間です。
浅草寺の2026年の年中行事案内にも、この3日間が「歳の市・羽子板市」と記載されています。
- Q羽子板市はどこで開催されますか?
- A
浅草寺境内で開催されます。
浅草寺の年中行事では「羽子板市 12月17・18・19日」と境内での開催が案内されています。
- Q羽子板市を見るのに料金はかかりますか?
- A
浅草寺境内に並ぶ羽子板市を見て歩くことができます。
羽子板を購入する場合は商品ごとに価格が異なります。
- Q羽子板市は何時頃に行くのがおすすめですか?
- A
ゆっくり羽子板を見たい場合は、比較的人出が少ない時間帯を狙うとよいでしょう。
一方、夕方から夜にかけては露店の灯りが入り、昼とは違った年末らしい雰囲気を楽しめます。
開催時間については年ごとの案内を確認してください。
- Q羽子板を買わなくても楽しめますか?
- A
もちろん楽しめます。
伝統的な押絵羽子板や、その年を象徴する変わり羽子板を眺めるだけでも十分に楽しめるイベントです。
職人技や羽子板のデザインに注目しながら歩いてみましょう。
- Q羽子板にはどんな意味がありますか?
- A
羽子板には魔除けや無病息災、女の子の健やかな成長を願う意味があります。
羽根が虫を食べるトンボに似ていることや、羽根に使われるムクロジなどから縁起物として扱われるようになりました。
- Q浅草の羽子板市はいつから始まったのですか?
- A
もともとは江戸時代の浅草寺で開かれていた「歳の市」が始まりです。
江戸末期頃から羽子板を販売する店が多くなり、やがて羽子板が市を代表する商品となりました。
- Q混雑を避けるにはどうすればよいですか?
- A
12月18日は納めの観音のご縁日でもあるため、特に多くの参拝者が訪れます。
混雑を少しでも避けたい場合は17日を選ぶ、またはピーク時間を外して訪れるなどの方法があります。
浅草の羽子板市で江戸から続く年末の風情を楽しもう
浅草寺の羽子板市は、華やかな羽子板を販売するだけのイベントではありません。
その始まりは、江戸時代に新年を迎えるための品々を販売した歳の市にあります。
正月用品が並んだ歳の市。
歌舞伎文化とともに人気を集めた押絵羽子板。
女の子の無病息災や健やかな成長を願う初正月の羽子板。
そして現在まで受け継がれている職人の技。
こうした歴史を知ってから羽子板市を訪れると、色鮮やかな一枚一枚が単なる飾り物ではないことが分かります。
2026年の開催は12月17日・18日・19日。
12月18日の「納めの観音」とともに、浅草の一年を締めくくる代表的な風物詩です。
年末に浅草を訪れるなら、ぜひ浅草寺の羽子板市へ足を運び、江戸から続く歳の市のにぎわいと、日本の正月文化を感じてみてください。
